2021年9月3日(金)

趣味のコラム

単位の話


 ●1億年前と1億年間

地球の歴史の本を読んでいて、
「1億年」と出てきたときに、
これには2つの意味があります。
 今から 「1億年前」という意味と、
 あの時代の 「1億年もの間」という意味です。

恐竜でいうと、
今から「2億年前」に
「1億年間」生存していた、ということになります。
こんな風に解していくと、
人間なんか5万年前に発生して
今日までこんなに変化しているのに、
恐竜は1億年もの間、
ずっと恐竜でしななかったのはなぜなんだと、
そんな思いが頭に浮かびます。


青森の、あの巨大オブジェがある三内・丸山遺跡だって、
「6000年前」から「1700年間」ですからね。
1700年間、貝掘って木の実拾っていただけの、
これといった変化なし。
「この石器に小さな溝掘ったら便利かも」に
100年かかっています。

そして今度は今のあくせくした進化と比べて、
こののんびりした感が、うらやましくもなったりもします。


日本の史実でいうと、
平安時代は、
「鳴くよウグイス…」から「いい国(箱)作ろう…」までの、
「1200年前から400年間」
徳川幕府は
「400年前から300年間」です。

当然この間、公家や武士など為政者の間では
清廉・腐敗・妬み・いざこざ・波風・闘争・陰謀・暗殺
いろいろあったでしょう。
そう考えると、
明治維新からいまだに続く長州政権は160年、
今の自民党のグダグダも、
この間の中のひとときということになるのです。
(ちなみに鎌倉幕府は140年ぐらいでした。・・・そろそろすかね?)


●1光年 

もうひとつ、“年のつく単位”の話をします。

「1光年」と出てくると、
いつもどうしても、ぱっと時間の長さをイメージしてしまいますが、
しかし、これは、
距離の長さの単位です。

「1光年」は1年間に光が進む長さで約10兆㎞なんですが、
でもこうなると、
もう10兆でも100兆でもどーでもいいような気がします。

「400光年離れているスバル星団から発せられた光は、
400年前の状態を表しています。」
なんて、こんな風に考えると、
距離と時間の話がごちゃごちゃになるので、
さらにわかりにくくなってしまうのでした。

スバル星団の直径は4光年(長さ)もあるらしく、
そんな大きなものが、地球からは1点の光でしか見えません。
先日、地球から離れて旅行中のボイジャーから、
送られてきた地球の写真も、点でした。
こっちはなんか、なんともいえない気持ちにさせられました。
(あの光に我々は住んでいます)


 ●10の〇乗

宇宙のこんな常識外れの単位になってくると、
10の〇乗という表現になります。
しかしこんな話が出てくるようになると、
私はたいがい、飛ばし読みします(めんどくさい)。

それでもおーっざぱに表現すると、

今考えられる最大の大きさ宇宙の端が10の20乗であり、
今わかっている物質の最小単位の素粒子の大きさが10の-17乗です。
マクロとミクロの世界が対象となっています。
偶然なのか必然なのか、ちょっと不思議な感じもします。

ちなみにこれも言い直しますと、
素粒子から見た地球の大きさと、
地球から見た宇宙の大きさが同じぐらいということです。

イメージしてもらうためにもう一度繰り返しますと、

「宇宙と、太陽系の差」
「原子核と、素粒子の差」と、
「地球と、人間の大きさの差」は、
だいたい10の7・8乗ぐらいの差で、
似たようなものとなってきます。
(10の〇乗がふたつ三つ違ったって、素人には近似値!)


 ●1尺と1フィート

大きさの単位の話として、話はまたまた飛んで、
日本には尺貫法というものがありまた。
この“法”とは、法律ではなくて、方法という意味です。

日本ではずっと昔からわりと最近まで、
長さを1尺2尺、重さは1貫目2貫目
と数えていました。

私はもう普通に身長はcmでしか計ったことないのですが、
そーいえば父親世代のひとは、
先の入隊検査のとき「身長は5尺何寸で甲種合格、どーのこーの」
なんて話していました。


そして平成になって法律で、
mとgに強制されてしまったわけですが、
これまたアメリカ文化の押し付けかと勝手に思っていたのですが、
考えてみると、アメリカはヤードとポンドでしたね。

メートルは、地球を基準に科学的に判断したものであり、
尺とヤードは、
人間の生活を基準にしているものでした。
よって、異文化なのに、
1尺と1フィートはおなじぐらいなっているのです。


家を建てるとき、メートルで表すよりも、
〇畳とか〇フィートで表現したほうが、
おさまりがよくなるらしいです。
8畳の部屋(3.6m四方)に7フィート(2134mm)のドアをつけるのが
なんとも使い勝手がよいそうなのですが、
これを、4メートル四方の部屋に2メートルのドアにしたら、
それではしっくりこなくなるのだそうです。

重さでいうと、
お米は一人1合なので、三人家族なら3合炊きましょうとなり、
肉は1ポンド、これを三人家族の一食分でちょうどいいらしい。
これもgで表現すると450gぐらいとなってしまい、
それではと、400グラムとか500グラムにすれば、
ちょっと多かったり少なかったりするそうです。


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