2025年3月7日(金)

趣味のコラム

AIつれづれ

5)AIの宿命、消えない記憶。

人間とAI脳の決定的な違いのひとつに、記憶があります。

人間の記憶とは、曖昧で脆弱なものであり(そして修正も)、だから人は先に進めるといってもいいでしょう。
AIのようにすべてが正確にいつまでも世に残されるようになると、人間はこれまた新たな生き方を構築しなければなりません。

最近の有名人はSNSで、ずっと以前のことまで蒸し返されて怒られています。昔のちょっとしたいたずらやコメントをコンピューターのホルダーから引っ張り出され、強力な拡散力を持つSNSで証拠としてさらされていきます。

視覚的に提示されると「あいまい」という逃げ道はなくなり、若かったからという言い訳も通用していないようです。
AIに悪意はないのですが、こういうことがAIの得意分野です。偉くなりたいとか有名になりたいという子供の素朴な夢を、技術の進歩がまた一つ消していきます。

 
まだおおらかな昔の話なのですが、国民栄誉賞を打診された阪急の福本選手は、「そんなもんもろたら、立小便もできんへんようになるだろ」と言って辞退していました。まこれは先見の明というよりも、大人としての矜持、カッコよさの表れるお言葉です。

©ベースボール・マガジン社

6)子供の教育

動画サイトでAI研究者の対談番組で、
「将来、物心つく前からAIの中で育つ子供とは、どうなのでしょうか」という質問がありました。

「子供の『なんでなんで』攻撃に大人は辟易してしまうものですよね。その点AIは正しい答えをいつでも、いつまでも付き合ってくれるので、将来学校なんかいらなくなるんじゃないですか」と答えていた。

人間には、辟易する心があるということを誰が教えるのでしょうか。
未来の図でカプセルホテルみたいなところにひとりずつ収められて満足している人間を想像しました。満足しているのだからいいのでしょうけど。


太古の昔から人間とは、自分の好きなことを好きなだけやっているに過ぎないことを痛感します。
資本主義の限界もここにあるのでした。

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