5)アートの現実
大人のアートの世界では、プロデューサーやエージェントの存在が必要です。
アートには作品自体からの感動はもちろんですが、さらに深く長く楽しむには、やはり物語が必要です。
ダイヤモンドも装飾されて物語がついて高く評価されていくのです。
バンクシーも、作品自体と演出家の力量との合わせ技の高評価と思っています。この情報化社会でネットで検索して作者についてなにも出てここないところに、演出家の剛腕を感じます。
テレビの「なんでも鑑定団」はこの物語の部分をとても上手に演出してくれています。
しかし罪の部分もありまして、それは「アートに金額がある」ということを世間に知らしめてしまったことです。
昨今、美術品にちょっかいを出す上級庶民が出てきたことによって、富裕層の通貨であった美術品はさらに高騰して、雲の上へと行ってしまいました。
平凡庶民にとって「いずれにせよ関係ないよ」といえばそれまでなのですが、そこに今回のような川村美術館が狙われる原因がでてきてしまったのでした。
6)たまにはアートに行こう
自分のその時期や環境によって、足の止まる場所が違うことに自分でも驚かされます。あれほど感動したものに後日会いに行くとそれほどでもないという、不思議な気持ちになります。
それともう一つ、年を取ると足を止めるところが、だんだん少なくなってくるのも違いないとこです。
ピリピリとした感性があるうちにいい美術品に会にいきましょう。
