1)お気にいりの美術館
千葉の川村美術館が閉鎖されるとのニュースがありました。
どうしてもアートは、現実の余裕の側面は仕方なく、見に行く方はもちろんですが、作る側も業績が優先されます。
ここは巨大上場企業の美術館ですが、それでも本業の業績如何によってはそんな危機が訪れることもあるのでしょう。
この美術館は、ゴルフコースのようにきれいに整備された広大な敷地に噴水つきの大きな池、ムーミンのお家みたいなエントランスからなる建築物からなり、スケールもクオリティーも完璧な美術館です。(個人的感想です)
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所持している美術品も、ピカソ・シャガール・レンブラントと小学生の教科書にも載っている絵画から、ロスコ・ポロックなどの近代アート、さらには「これ、どーいうこと?」という最新アートまで並んでいます。日本美術や彫刻もすごい。
私設美術館のいいところは、これはお大尽遊びの極致であり、一個人の趣味や好みが最大限に発揮される所にあります。
オーナーの好きなものが好きな順で並べてあるので、その趣味が自分の感性とマッチすると、この上もない幸福を享受させてもらえるのです。
まだ間に合いそうならばぜひ。
(クリック)
DIC川村記念美術館 | Kawamura Memorial DIC Museum of Art
2)東京国立博物館
上野公園の正面にある国立博物館も、必ず一度は訪れたほうがいいとこです。“美術館は近・現代のアート作品”、“博物館は文化財系の美術品”の保管・展示となっていますが、雰囲気が自分の感性に合えば似たようなものです。
昭和初期に建てられた建物自体の風格からして感動的ですし、陳列物も一級品です(当たり前か)。常設展のところならば混んでいません。
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昔の改装前の旧式照明に照らされたうすぼんやりとした、清掃の行き届いたホコリ臭さ(矛盾?)が好きでした。現代のクリアなLEDよりも、うすぼんやりとした蛍光灯のほうがなんともいえない風情がありました。(美術品の劣化という観点からは、LEDでないとだめらしいですが。)
そんな昔、ここにあったある国宝級の茶碗の前から、動けなくなったことがありました。そのときどんな物語を自分の頭の中で繰り広げていたのかは忘れましたが、美術品の持つオーラと私の感性がどこかの波長でシンクロしたのでしょう。
あまりにもいつまでもじっとしていたので横の警備員の視線をふと感じたのと、この美術品を1日眺めていられる警備員をうらやましく思ったのと、ついでにここの警備員のアルバイト募集していないかなとも思った記憶があったのでございましたのよ。
先日も国立博物館に行ったとき、ほとんどの美術品が写真撮影可となっているのには「…?!」となりました。昔は「写真なんかとんでもない!」雰囲気がありましたから。
撮影は図版図書が売れなくなってしまいますし、仏像を撮影するのも何となく失礼な気がしなくもありません。他人の迷惑を気づかずに撮影に夢中になってしまう人も出てくるでしょう。
それでも考えてみれば、国立の博物館の所蔵品は、1憶分の一は私のものでもあるので、しゃかしゃか撮ってきました。
SNSに投稿してもらって、たくさんの人に見てもらいたいという風潮がでてきたのでしょう。
