2024年4月19日(金)

読んだ本の話

重力のからくり(ブルーバックス)

4)ミクロのエネルギー

原子をもう一度復習すると、原子の中心にある原子核は陽子と中性子がひと固まりになっています。
この原子核の数によって物質の性質が決まっています。水素とか鉄とかウランとか名付けられています。

重力のからくり09

この陽子と中性子のくっつけている力が強力なのです。

原子爆弾は、原子核92個のウランがクリプトン36とバリウム56に変わったものです。いかんせん光速30万キロの2乗をかけた数値のエネルギーですから、0.7gの質量が減少しただけであの被害となるのです。(これまた雑な説明)

重力のからくり10

強力な磁石を顔を真っ赤にして引きはがすようなイメージで、この原子核に引っ付いている陽子と中性子を引きはがせたとすると、世の中はエネルギーだけになって、物質はなくなります。(さすがに飛躍しすぎ)

重力のからくり11

5)巨大なエネルギー

それからもうひとつ。

宇宙の広さ、時間の長さ、素粒子の大きさなど、人間の意識できるスケールとは異なった単位が存在しているという事実があります。
10の20乗とか光の速度で1億年とか、もう想像すらできないものであるということは、人間のものではないということでもあります。

そして原子核のエネルギーも、“桁数の違い”とでは表現できないほどの異なった単位でこの世に存在しています。

重力のからくり12

太陽が、
メラメラと燃えているのも核融合反応です。燃焼ではありません。太陽は水素がヘリウムになるという、原子爆弾と同じ、原子番号が変わる反応です。
だから太陽は、あの大きさでも地球全体のエネルギーを賄えるのです。

ちなみに紙に火がついて燃えるのが燃焼で、炭素が酸素と結合したり分解したりする化学反応です。

重力のからくり13

6)追補

錬金術の本当の意味は、原子番号26の鉄を原子番号79の金にすることでした。地球上にはない光速の2乗倍のエネルギーを集められたとしてそれをどうすればいいのかはわかりませんが、少なくともアルコールランプ上でビーカーかき回してできるものではないということは確かです。

重力のからくり14

ひとことでまとめると、人間が思いもつかない巨大な単位のエネルギーが、姿も見せずにこの世の中に行きわたって、この世界を構成しているということです。

「地下鉄はどこから入れるのか、考えると夜も眠れなくなっちゃう」という漫才師がいましたが、こんなところから新たな検索を始めてみたらいかがでしょうか。

重力のからくり15

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