4)歯石の下には。
歯の凸凹の陰の部分には、ばい菌がいっぱいです。
ばい菌がいれば、そのばい菌をやっつけようと血液が集まってくるのは人体の摂理です。
歯肉が腫れている(=歯肉炎)という状態です。
歯肉は腫れてふくれていますから、粘膜も薄くなっています。
そのあたりの歯石を取るためにカリカリ始めると、出血はいささか致し方のない、となるのです。
歯石の付いていなところをカリカリすることはないのですが(笑、歯肉が腫れていないところをいささか乱暴にカリカリしても出血することはありません。
5)歯ブラシ時の出血
少し話が変わりますが、歯ブラシで出血することもあります。
そこも普段、上手にばい菌が“落ちていない場所”で、=歯肉が腫れているところ、ということになります。
健康な歯肉は、歯ブラシがちょっとあたったくらいでは、出血しません。
以前に患者さんとの会話で「出血する場所は傷口だから傷が治るまでそっとしておこうと、歯ブラシはよけていました」という話をされていました。しかしそれでは、いつまでたっても治りません。
歯ブラシで一週間も細菌を取り続ければ、出血はしなくなるでしょう(=炎症は収まるでしょう)
6)まとめると
歯石除去時による出血とは、
「患者さんの歯肉が炎症しているところ」であり、
「歯医者さんは悪くない」という論説でした。
歯石がついてしまうというのは、いささか致し方ないところかもしれません。
歯石に隠れた歯垢(ばい菌)の除去は難しいので、定期的に歯石がついていないかどうか確認しておきましょう。
歯肉炎のまま数年単位でほっておいたのが、歯周病です。
歯周病になってしまうと、なかなか元には戻りません。
歯肉炎の段階でメインテナンスを行っていれば何とかなります(たぶん)。
おわり