2) なぜ正しい位置にあったほうがいいのかというと
口呼吸の傾向のある子どもは、まずこの状態です。
口呼吸の弊害は、冬に鼻がつまるとすぐにのどが痛くなったりするところからも、細菌の感染リスクが鼻呼吸より高そうなことは、なんとなく理解します。
また口腔内においても、虫歯や歯周病のリスクも高まります。乾燥によっての唾液の消毒効果の減少によるものからでしょう。
ほかには、いびきにも影響があります。
小学生の時によくやった豚の鳴きまねの時の舌を意識してみると、下の歯の後ろにあります。ためしに、上あごに引っ付けて豚真似をしてみても、できません。
舌の位置が上あごにあることが標準になると、いびき対策にも効果は出てくると思います。
普段(しゃべったり食べたりしていない時)、舌の位置が正しい位置にあると、一緒に口唇も引き締まるようになります。
口元は若く見えるひとつのキーワードです。シンプルなタッチの漫画で、おじいさんおばあさんを表現するときは、口元に2~3本の線(しわ)を入れて表現します。
言い方を変えると口元をピンと張っておくと若く見えます。
総入れ歯を作るとき、いくらかでも口元がピンと張るよう、若く見えるよう作ったりもしています。
昔ラジオを聞いていたときに「えっ、泳げない人とかいるんですか?みんな本能で、泳げるのかと思ってました」とフツーに言っている人がいました。私はまったく泳げないのですが、できる人とできない人との感覚とはこんなに違うものかと驚いた記憶があります。
これまでの話も、舌が正しい位置にあるひとにとってみれば不思議とも言われかねない話なのですが、もし舌がいつも下の歯の間にデンといるようでしたら、ちょっと意識をしてみましょう。力いらずの意識だけの話なので、いくつになってでも改善できそうです。
「ひとの話、聞いてます?」