2018年11月27日(火)

読んだ本の話

山形・酒田の海向寺

ワタシが今までに見てきた中で、おすすめの仏像を三つほどご紹介しています。

山形・酒田の海向寺に、即身仏の仏様がいらっしゃいます。
僧侶自らが、ミイラとなって仏となり、人々を救済しようというお姿です。

エジプトのミイラは王様の死後、神とあがめるべく家臣たちがミイラにしたものですが、即身仏とは自分の意思でミイラになったものです。
修行の最終形態として、生きながらにゆっくりと体脂肪と水分を減らして、極限まで達したところで自ら穴にこもります。
この先がミイラ化か腐敗か確証もなく、当然、自分で確かめるすべもありません。

身と心の両方を極限にまでにおく、究極の修行ということになります。凡人の私には修行の意味すらよくわかりませんが、修行を突き詰めた僧侶たちに、その先に何が見えたのでしょうか。


訪ねて行った時ツアーの人たちが、付近をぞろぞろと、たくさん歩いておりました。さすが有名な仏様と思ったら、目の前が映画「おくりびと」のロケ記念館になっており、そちらに行く人たちでした。ツアーコースということもあるのでしょうが、こちらのお寺には、誰もきていませんでした。

海向寺は外観は特別なことない普通のお寺。とりわけ大きな敷地というわけでもなく、本堂の横に白壁のお蔵みたいな建物がぽつりとあります。

Wikipedia」より

そして小さな扉。
最初はお寺の方の住居部分(庫裏)かと思って少し躊躇しながらも扉を開けて入っていくと、受付があって拝観料を納めます。
一通りの説明をしていただいた後、シーンとした小さな空間で、仏様とゆっくりお話をさせていただけます。

何年かに一度お着物を着せ替えられているようで、ダンディーにパリッとした袈裟を着ていらっしゃいます。地元の人からは身近に感じられているのでしょう。
如何せん、元が我々と同じの生身の仏様ですから、とても親身になってお話を聞いてくださるような気がします。
またいつかご挨拶に伺いたい仏様のひとりです。

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