2018年11月13日(火)

読んだ本の話

奈良の中宮寺

ワタシが今までに見てきた中で、おすすめの仏像を三つほどご紹介します。

ひとつ目は何と言っても、国宝の中の国宝、
奈良・中宮寺の観音様です。
このお寺は有名な法隆寺と隣接したところにあります。(どっちも有名ですけど)

仏像も国宝ともなると、いろいろと規則に縛られてくるのでしょう。無機質な薄暗い倉庫のようなコンクリート製の建物の中でとか、分厚いガラスに押し込められているところでとか、はるかかなたの高いところにいらっしゃるかとか、なんか、よそよそしいこと極まりないところでのご対面という場合がほとんどです。
しばしばこの距離感が、こちらが話しかけようとする気をそいでしまって、そそくさとおいとますること多くあります。

その中で、この中宮寺の観音様は、きれいなお庭を前にしたとても開放的なで、飾り気の少ないお部屋にゆるりと鎮座されています。

両脇に何人かのお付きの仏様もいたような気がしますが、ご本尊はお部屋の正面中央に、ドーンと座ってらっしゃいます。
このお部屋が絨毯だったか畳だったかも覚えていないのですが、そのお姿の前にしずしずと進み出て、あのほほ笑みで「よくいらっしゃいましたね」と気軽にお声をかけていただいたらね~、あ~~もう~~~


撮影禁止だったのと、あまりの美しい方を前にしてぽっとなってしまったのと、スーパースターにやさしく話しかけていただいて舞い上がってしまったのなんのかんので、細かな情景がすっかり飛んでしまっています。
アイドルの追っかけが、キャーと奇声を上げて必死に手を振っている気持ちが、少しわかったような気がしましたね。


季節や天候に恵まれれば、お部屋の中は心地よい風がそっと吹き抜けてくれます。
そんな中で、世界で一番と言われてるあの微笑みを持った方に、ひとりひとりにやさしく話しかけてくださっている時間をみんなで共有する、そんな至福のひと時が味わえるはずです。

法隆寺は中心部から少し離れているのでパスツアーでいく人が多いのですが、どうやら法隆寺ツアーには、中宮寺の時間が組みこまれていなさそうです。(たぶん)
だからあのゆったりとした空間が維持できているともいえるのですが、ここは個人的にかつ時間に余裕を持って行ったほうがいいでしょう。
言うまでもなく法隆寺も見どころ満載なので、一日いても飽きません。

このフィギュアは、そごうで買いました。

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