2023年1月16日(月)

お口の中を楽しくコラム

電動の歯ブラシで。

電動ハブラシ1

「これまでずっときれいに磨けていたのに、最近なんかちょっと、今ひとつだよね。どーしたの?」
「電動歯ブラシにしてみたんです。」

先だって、「・・・ん?!」と思った出来事でした。

電動ハブラシ2

その前に・・・。
「電動歯ブラシって、どうなんですか」という質問はよく受けます。

しかし、「あれはですね、○○なんですよ。」という、テンプレートな回答はありません。

そのような質問を受けた時、まずお口の中の歯ブラシの届き具合を見ます。
そして「今、どうなされていますか」とたずねます。

お口の中がきれいに磨かけている状態で、
「今、手で磨いていますけど…」
「最近、電動歯ブラシにしてみたんですよ」と言われたら、
「今のままで、ダイジョブですよ。がんばりましょう」
とお答えします。

またその逆で、歯ブラシに改善の余地ありと思ったら、どのような方法がいいか、いろいろと模索して、回答します。

電動ハブラシ3

私個人としては昔、試供品でもらった電動歯ブラシを使ってみたことはありますが、実感としてよくわからなくて、使い続けるということにはなりませんでした。(個人の感想です。)

しかしそれももうずっと前の話ですから、それから開発チームが社運をかけて研究に実験を重ねて、格段の進歩をしていることでしょう。現在のことは、ほんとによくわかりません。

電動ハブラシ4

そして話の本題は、
「電動歯ブラシにした」という“油断”のお話です。
似たような話に、高価な歯磨き粉の話もありました。

以前、
「先生よ、先生に歯ブラシを習って、高い歯磨き粉買って、一生懸命磨いているんだ」という患者さんがいらっしゃいました。

お口の中の調子はよさそうで、そう伝えると、「やっぱ高い歯磨き粉は素晴らしいね」とおしゃっていました。

しかし、実は私は、“歯磨き粉の効果”よりも、“一生懸命”の方の効果が大きいような気がしたのでした。
せっかく高い歯磨き粉買ってやる気も出しているのに水を差すようなことも言えませんので、「この調子で頑張ってくださいね」と言いました。けど。(私も大人ですから)。

この患者さん場合はいい方向に向かったからいいのですが、逆に高い歯磨き粉を買ったからと、ブラシで汚れを落とすという本来の目的からの油断というケースも考えられます。

歯磨き粉の薬の効果はそれなりにはあるのでしょうが、細菌の除去のおざなりをカバーしてくれるとは到底思えません。

今回の電動歯ブラシの患者さんは、まさにこの裏目に出てしまったような症例でした。

電動ハブラシ5

電動歯ブラシのメーカーは、製作会議でさんざんと侃々諤々をやった上での製品化でしょうから、説明書に書いてある通りに機械を使いこなせば問題はないとは思います。

しかし、買ったというだけで自己満足して油断してしまうと、少し危険な感じがしたのでした。

機械の性能うんぬんではなく、使う人の心得の話がしたかったのでした。

電動ハブラシ6

というわけで、このままでいいのかちょっとまずいのか、
とりあえず、

「歯医者さんで、相談だ!」


「柚子こしょう」

電動ハブラシ7

名前は、柚子とこしょう。
色は、ワサビ、
辛みは、唐辛子。

何一つ、あっていない。

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