近くに自衛隊の施設があって患者さんもよく来てもらっています。職場では口腔内の定期診査も確実になされているようで、お口の中はどなたもよく管理されています。よって必然的に、大きな虫歯とか入れ歯の作成というよりも、お口の中のメンテナンスの話が多くなってきます。
そして患者さんたちは、お仕事柄、赴任先もちょこちょこ変わっていくようで、ブラッシング指導している最中、
「もし、次の歯医者さんに行くことになったならね・・・」
という会話にも、よくなるのでした。
もし他の歯医者さんに行くことになって、そこの先生から、
「歯をよく磨いてますか?」と話しかけられたときに、
「はい一生懸命磨いています」と元気よく返事をしてしまうと、そこで終わりになってしまいますよという話をしてあげています。
よほど上手に磨けていない場合は別ですけど、そこそこきれいに磨けいていると、
「そうですね、きれいに磨けてますよ。これからも頑張ってくださいね」と話が終わってしまうのです。
そこで、
「それではどうしたらいいのですか」と、患者さんの興味が湧いてくるところなんですが、とっておきのキーワードがあります。
「磨き残しはだいじょぶですか」
「磨き残しているところはありますか」
「磨けていない場所はどこですか」
と会話をつなぐのです。
すると衛生士さんもお口の中をもう一度よ~く見渡してくれて「ええ~っとですね~」となって、もう一歩踏み込んだ会話に入って行けるのでした。
もう今の時代、歯を磨いているのは当たり前となっていますので、さらにその先レベルアップの会話として、こう話しかけてみたらいかがですかというアドバイスです。
しつこいですが、そのような会話に入っていくためには、歯ブラシをする目的をよく理解していかないと、会話は盛り上がりません。
歯ブラシは、「歯磨き」という単語・語彙にごまかされ、ピカピカに輝くように磨き上げることというイメージを持ちがちですが、そうではなくて、あの白いバイ菌の塊(歯垢・プラーク)を隅々まできれいにふき取ることということを理解してないと、この会話は進みません。
よく歯ブラシの目的を理解したたうえで、診療室でこんな風に話しかけてみたらいかがでしょうか。と、老婆心。
幸運を祈ります。